徳島県立近代美術で開催されている「原安三郎コレクション 北斎✕広重」を観に行きました。

前期と後期に分かれていて前期は7月25日(土)から8月23日(日)まで、後期は8月25日(火)から9月23日(水・祝)までが開催期間になっています。
【原安三郎】
1884(明治17)年、徳島藩の普請方をつとめた家系に生まれ、父親は徳島特産の藍を扱っていました。3歳の頃に骨膜炎を患い、右腕と左足が不自由になりましたが、強い意志と並外れた努力で自身の人生を切り開きました。長年、日本化薬株式会社の社長を務め、財界の重鎮として活躍しました。1981(昭和56年には勲一等旭日大綬章を受章し、日本化薬会長在職のまま、翌年10月21日に98歳で亡くなりました。
原氏が蒐集した浮世絵は、大正初期に宣教師より譲り受けた作品を母体に、質・量ともに優れた個人コレクションとして高く評価されています。本展では、浮世絵の巨匠・葛飾北斎と歌川広重による名所絵の揃物(シリーズ)を中心に、貴重な肉筆画や徳島出身の日本画家・公文蘆淵の絵巻なども展示します。徳島ゆかりの人物が長年にわたり築き上げた豊かなコレクションをぜひご堪能ください。
【原安三郎コレクション】
〈冨嶽三十六景〉46枚、〈諸国瀧廻り〉8枚、〈雪月花〉3枚、〈諸国名橋奇覧〉11枚、〈千絵の海〉10枚といったシリーズが、1枚も欠けることなく「揃い」で所蔵されています。また、摺りがシャープで保存状態も良好な作品が多く、コレクションに対する原氏の並々ならぬ熱意をうかがうことができます。本展では、上記の名所絵シリーズに加え、怪談をテーマとした〈百物語〉5枚や富士を様々な角度から描いた絵本『富嶽百景』3冊をあわせて紹介します。
広重の名所絵シリーズの多くが「揃い」で所蔵されています。本展では〈東海道五拾三次之内〉(保永堂版)、〈京都名所之内〉、〈雪月花〉、〈冨士三十六景〉の4つのシリーズを紹介します。誰もがよく知る東海道、京都の風情ある風景、芸術性の高い雪月花、さらには北斎との競演となる富士の諸相というように、大変充実した構成となっています。
浮世絵師たちが1点ずつ直筆で描いた肉筆浮世絵も多く含まれています。絵師の名前を概観すると、江戸初期から近代に至る体系的なコレクションであることが理解され、原氏の学究肌な一面もうかがえます。本展では、画系的に北斎へとつながる宮川長春や勝川春章、広重へとつながる歌川豊春や豊広のほか、上方で活躍した月岡雪鼎による肉筆浮世絵を紹介します。特筆すべき作品は、〈更級日記絵巻〉です。原氏は徳島出身の絵師・公文蘆淵に依頼し、全15巻からなる極彩色の絵巻を制作しました。その入念な仕立てからは、原氏の相当な意気込みが伝わってきます。
フライヤーはこちら。

展示内容は以下のとおり。




美術館の入り口に大きなポスターがありました。

特別展に入る前に「神奈川沖浪裏」のフォトスポットがありました。

特別展の入り口です。広重の「富士三十六景」のパネルがありました。

最初は北斎の「富嶽三十六景」から始まり、「諸国瀧廻り」、「諸国名橋奇覧」、「百物語」、「富嶽百景」などが並んでいます。
【葛飾北斎】
葛飾北斎(1760~1849)は、江戸の本所割下水(現在の墨田区)に生まれ、数え19歳で浮世絵師の勝川春章に入門、90歳で世を去るまで70年にわたり絵師として活躍しました。その長い画業において最もよく知られているのは、70歳頃から刊行された錦絵の名所絵シリーズでしょう。「赤富士」や「大波」といった富士を描いた傑作は、日本のみならず世界中の人々に愛されています。
版によって絵が変わっている部分があって、並べて展示されており、とても興味深い展示になっていました。「富嶽百景」は本になっていて初めて観るものでした。すぐ横のモニターで内容を映し出されていました。

こちらはフォトスポット「百物語」。

ここから広重になります。

【歌川広重】
歌川広重(1797~1858)は、江戸八代洲河岸(現在の千代田区)の定火消同心の長男として生まれ、数え15歳で浮世絵師の歌川豊広に入門。生涯にわたり名所絵シリーズを多く手掛け、第一人者として活躍しました。広重の名所絵の中でもとりわけ有名なのは、出世作〈東海道五拾三次之内〉(保永堂版)でしょう。東海道の名所や風俗を、季節・天候・時刻などを違えて巧みに描き、情趣豊かに表現した優品の数々は、多くの人々の支持を得て長く愛され続けています。
最初は有名な「東海道五十三次」。「京都名所」や「富士三十六景」などこちらもたくさんの浮世絵が展示されていました。「東海道五十三次」も版によって絵に違いがあってとても面白いと思いました。有名な「日本橋」は大名行列に焦点があたっている絵が最も有名ですが、別の版では大名行列の前に多くの町民が描かれていて驚きました。
北斎の「富嶽三十六景」に対抗して作成された「富士三十六景」は北斎ほどのインパクトはなかったですが、画家による視点の差が感じられてとても面白い展示でした。

北斎と広重が富士を描いた場所が地図にプロットされていました。フォトスポットの横にあったので写真を撮りましたがこれは撮影禁止とのことでした。こちらは江戸のポイントですが、神奈川や静岡のポイント地図もありました。これが手元資料としてあればもっと楽しめると思いました。8月下旬からの後期も観に行こうと思います。
観終わって「タント」で休憩。黒胡麻ソフトをいただきました。
