さん喬師匠の独演会

今日の配信は「第八十一回大手町落語会スペシャル 柳家さん喬・柳家権太楼 二人会」です。

さん喬師匠が「うどん屋」ほか一席、権太楼師匠が「鰍沢」ほか一席の予定でしたが、直前になって権太楼師匠がインフルエンザに罹ったため、さん喬師匠が権太楼師匠が演じる予定だった「鰍沢」を演ることになりました。当日のパンフレットは以下のとおり。

残念ながら権太楼師匠がお休みになってさん喬師匠の独演会になったので演目はこのように変わっています。

開口一番は柳亭左ん坊の「狸札」です。前座さんの割にこなれた噺ぶりでしたが、子狸が化けた五円札を渡して四円五十銭の支払いを済ませようとした時の釣銭を十銭のところを五十銭と言い間違えてしまいました。

さん喬師匠に代わっての一席目は「寝床」。さすがに安心して聴けますが、時間調整のためかご近所が集まった後の描写と最後に定吉が泣いてサゲになる部分がカットされていました。

高座を降りることなく二席目が始まりました。予定されていた「うどん屋」です。うどん屋に絡む酔っ払いの描写は素晴らしいと思います。最後に鍋焼きうどんを食べるシーンはこちらも食べたくなってきました。

仲入りを挟んで後半の最初はパンフレットの解説を書かれた佐藤友美氏(「東京かわら版」編集長)のインタビューです。さん喬師匠と義太夫の関わり方や昔の修行の話に続いて、今日の演目である「うどん屋」がネタ出しだったこと、小さん師匠に聞いた「うどんや」の話など面白い話でした。

最後は権太楼師匠が演じる予定だった「鰍沢」です。旅人が身延山参りに出た帰り道に大雪に遭って鰍沢近くで道に迷ってしまい、ようやく見つけた一軒家で会ったことのある花魁に出逢います。長い間演じることがなかった噺だそうですが、とても素晴らしい出来だったと思います。二人会のはずが急な独演会になってしまいました。お疲れさまでした。