沖縄久高島のイザイホー

桜坂劇場で「沖縄久高島のイザイホー」を観ました。

イザイホーとは久高島で12年に一度行われる、久高島で生まれ育った30歳以上の既婚女性が神女(神職者)となるための就任儀礼で、1978年のイザイホー(最後のイザイホー)を最後に開催されなくなりました。当時のイザイホーの様子は16㎜フィルムカメラで記録され、「沖縄久高島のイザイホー」として公開されました。今回の映画はこのフィルムをクラウドファンディングで資金を集め、映像と音声がデジタル化したものです。この12年前である1966年のイザイホーは「カベールの馬〜1966年久高・イザイホー〜+南島残照 女たちの針突」で観ることができました。

沖縄・久高島で12年に一度行われてきた祭礼「イザイホー」を記録したドキュメンタリーフィルム。琉球王国の時代から400年以上にわたり続いてきたイザイホー。琉球の創世神アマミキヨが降り立った神聖な島として知られる久高島では、ノロと呼ばれる最高位の巫女を中心とした神女組織が琉球王国時代から継承され、島で生まれ育った女性が神女となり、祭祀を執り行う。その神女になる祭礼がイザイホーだが、社会の変化や後継者の不足により1978年を最後に行われていない。本作は、78年暮れに行われたイザイホーを関係者の協力を得て映像に記録。結果として実質的に最後となっているイザイホーの様子を、1カ月前からの準備期間や祭りの本番、そして後片付けや祭り後に行われる年中行事フバワクまでを収めた作品として、79年に完成した。その16ミリフィルムで記録された貴重な映像を保存・継承するため、2021年にクラウドファンディングによって全撮影フィルムのデジタル化を開始。その成果報告の一環として、音声トラックを整音し、4:3の画面を16:9に切り直し、クレジットタイトルや、イザイホーの神揺の書き起こしと現代語訳などの字幕もつけた「2022年デジタル・リメーク版」が劇場公開。
2時間に渡ってイザイホーの準備から後片付けまでを捉えたドキュメンタリーでした。久高島では年間20回以上の神事があるそうで、それをこなしながら12年に一度のイザイホーを行っていたというのですから、如何に久高島が神を大切にしていたところかが判ります。神女は男を守る存在だそうで、ここでも沖縄の女性と男性の関係が判ります。

【クラウドファンディングのホームページより】