ハジチとタトゥー

沖縄県立博物館・美術館で開催された『海洋文化講座 太平洋と沖縄③「島々の装い ハジチ(針突き)とタトゥー」』に参加しました。

太平洋と沖縄に共通する〈装いの美と呪術〉として、入墨の習俗はよく知られています。しかし、両者の関係は不明です。沖縄の入墨「ハジチ」と太平洋の島々のタトゥーの伝統とその変化について解説します。

日時:2022年8月7日(日) 14:00~15:30
場所:沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー) 1F講座室
定員:50名(※要事前申込)
対象:高校生以上
料金:無料

ハジチ(針突き)は沖縄の女性が結婚する際に手の甲に施した入れ墨で、地域や身分によってパターンが異なっていたそうです。奄美や沖縄本島、石垣島は手の甲だけに墨を入れますが、宮古島は肘近くまで墨を入れたとのこと。ハジチの本を見たことがありましたが、沖縄では1981年から1982年にかけて読谷村で調査が行われ、これをきっかけに本島全域で調査が行われた結果、ハジチに関する膨大な資料が残されたそうです。

ポリネシア、メラネシア、ミクロネシアなどでは樹皮で布を作り、これを身にまとうことで邪悪なものから身を守ろうとしたそうです。こうした布はタヒチ語で「Tapa(タパ)」と呼ばれていました。もっと直接的に身を守る手段として体に文様を刻むことをポリネシア語で「Tatau(タタウ)」と呼び、これが入れ墨を意味する英語の「Tattoo(タトゥー)」の語源となったそうです。「Taboo(タブー)」の語源もこうした流れの中から生まれたそうです。

どちらも入れ墨であることに変わりはないのですが、太平洋諸島の入れ墨は主に男性が全身に施すのに対して、ハジチは琉球弧(奄美、沖縄)の女性が手に施すものという根本的な違いがあり、ハジチの起源は判っていないそうです。

とても面白いお話を聞くことができました。次回は「仮面・仮装の来訪神」です。次回も時間が取れれば参加したいと思います。