『手わざ』琉球王国の文化

「『手わざ』琉球王国の文化」を観に行きました。

会場は首里城公園の世誇殿(第一会場)と沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館(第二会場)に分かれての展示でした。

先日の沖縄県立博物館・美術館で開催されている「よみがえる正倉院宝物-再現模造にみる天平の技-」に続いて、再現模造(こちらでは模造復元と呼んでいます)の品の展覧会でした。公式ホームページはこちら。公式ホームページにはオープニング映像も設置されています。

◆展示概要
昨年度、沖縄県立博物館・美術館で開催され、ご好評いただいた「手わざ-琉球王国の文化-」が巡回展として再び開催されます。琉球王国時代から伝わる8つの手わざ(絵画、木彫、石彫、漆芸、染織、陶芸、金工、三線)の模造復元から得られた情報と作品を通じ、琉球王国の豊かな手わざの素晴らしさと美意識を紹介する展覧会です。新たに完成した模造復元品を加え、 さらに充実した内容になっています。ぜひ、会場でご覧ください。

◆模造復元って何?
ある作品について調査・研究を重ね、製作された当時の姿を忠実に復元したものを新たに製作することを指します。可能な限り製作当時と同じ材料と技術を使って製作される模造復元品は、2 1世紀の沖縄の文化財です。

◆琉球王国文化遺産集積・再興事業とは
近代化や戦争で失った文化財を製作する手わざ(技術等)を、科学分析等の最新研究による情報をもとに模造復元し、さらには王国文化として発信する事業です。平成2 7年度より実施設計を行い、平成2 8年度より8分野6 5件の資料を模造復元しています。昨年度までに6 0件が完成しました。この度、完成した作品をお披露目する巡回展を開催します。

ゆいレール首里駅近くで食事をしてからのんびりと沖縄県立芸術大学(第二会場)へ。

こちらの会場では染織、三線、陶芸、金工が展示されています。


【染織】

絹経縞ロートン織衣裳
(きぬたてじまろーとんおりいしょう)

左:黄色地破格子文様絣平絹袷衣裳
(きいろじやぶれこうしもんようかすりひらぎぬあわせいしょう)

右:絹灰色地経縞織衣裳
(きぬはいいろじたてじまおりいしょう)

木綿花色地霞枝垂桜文様紅型袷衣装
(もめんはないろじかすみしだれざくらもんようびんがたあわせいしょう)


【三線】

三線拝領南風原型
(さんしんはいりょうふぇーばるがた)

三線富盛開鐘
(さんしんとぅむいけーじょー)

三線富盛開鐘附胴
(さんしんとぅむいけーじょーつけたりどう)


【陶芸】

円覚寺鬼瓦
(えんかくじおにがわら)

擬宝珠形丁子風炉
(ぎぼしがたちょうじぶろ)


【金工】

玉御冠
(たまんちゃーぶい)

御玉貫
(うたまぬち)

上:三御飾(美御前御揃)御酒器 金盃
(みつおかざりぬーめーうすりーおんしゅききんぱい)

中:三御飾(美御前御揃)御酒器銀杯洗
(みつおかざりぬーめーうすりーおんしゅきぎんはいあらい)

下:三御飾(美御前御揃)御酒器八角銀鋺
(みつおかざりぬーめーうすりーおんしゅきはっかくぎんわん)


芸術大学の裏には円覚寺跡がありました。先ほど見た鬼瓦はこの先にあったのでしょう。


少し歩く天女橋と弁財天堂がありました。

首里城もすぐそこです。


第一会場は首里城の中にある世誇殿でした。最初は場所が良く判らなかったのですが、焼け落ちた首里城正殿の裏側でした。

ここでの展示はとても少なくて拍子抜けしました。

朱漆巴紋沈金御供飯
(しゅうるしともえもんちんきんうくふぁん)


世誇殿を出ると「東(あがり)のアザナ」に入ることができました。首里城には何度か来ていますがここに入るのは初めてでした。

途中には国王が亡くなったときに一時的に霊柩を安置するところと言われている「寝廟殿(しんびょうでん)」がありました。

東のアザナは標高約140mの位置にある物見台だそうです。東には知念岬とその先に久高島が見えました(水色の煙突の右)。

北には末吉公園の森の先に東シナ海が広がっています。西には那覇港が見渡せます。この地に城を作った理由が良く判ります。

本殿が焼け落ちてしまったので、奉神門(ほうしんもん)の裏側が見えています。

正殿跡では礎石などを見ることができます。正殿の屋根に取り付けられていた龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)の焼け残った部分が公開されていました。

正殿の前に立っていた龍柱は別棟に展示されていました。至る所がひび割れていて、火災の凄まじさを物語っていました。再建される正殿には新たに作られる龍柱が据えられるそうです。


歩き疲れたので休憩所で琉球菓子とさんぴん茶をいただきました。

花ぼうる(左)冬瓜漬(手前)ちんすこう(奥)くんぺん(右)


鬼瓦を見たからという訳ではありませんが、帰りに首里城公園前にある「ゆくい首里城前商店」で以前から気になっていたスタジオde-jinの琉球石灰岩で作った石獅子「たっぺらーシーサー」をゲット。「たっぺらー」とは「平たい」という意味だそう。一般的なシーサーに比べて愛嬌のある顔をしています。家内は愛用している石鹸を購入。