「玉響」さだまさし・立川談春二人会

福岡サンパレスで開催された『「玉響」さだまさし・立川談春二人会』を聴きに行きました。

立川談春の芸歴40周年記念の高座で、さだまさしとの二人会という形式になっています。談春の高座は昨年の9月8日〜10日の三日間、柳家三三と二人で演った「牡丹灯籠」以来です。

己の四十周年の掉尾を飾るイベントにまさしさんをお迎えすることができました。「玉響」(たまゆら)というタイトルで二人で日本を旅できることを嬉しく心から感謝します。
談春の落語とさだまさしの唄。ほんの一瞬でかすかな触れ合いかもしれませんが是非お出でください。
「芝浜」という有名な落語をまさしさんの楽曲をヒントに私なりに大きく変えました。あの国技館での芝浜とはまったく違うものです。
お楽しみに。

立川談春

天気は曇りでどんよりとしています。

開催前のステージの様子。座布団を敷いた高座の後ろにはピアノやギターが並んでいます。落語会ではあり得ない風景です。座席は二階席の最前列、ステージ真正面でした。

談春の落語から会が始まりました。演題は立川談志が得意にしていたという「鮫講釈」舟旅の途中で舟が鮫(フカ)に取り巻かれてしまい、誰かが生贄にならなければ舟に穴を開けられて全員が喰われてしまう。生贄に選ばれた売れない講釈師は死ぬ前に一席と今まで語った講釈を延々と語りだすが、張り扇で舟縁を叩き続けたために鮫が驚いて逃げてしまう。初めて聴いた噺でした。

話し終えて高座を降りた談春がこの会の趣旨を説明している間に高座が片付けられ、さだまさしライブが準備されました。さだのライブは有名な曲のオンパレードでした。面白かったのは「関白宣言」を捩った「関白失脚」。マイナーに変わっています。トークもこなれていてとても楽しめた一時間でした。

15分の休憩を挟んで談春の高座が始まります。演題は「芝浜」。ホームページに書かれていたように今までの「芝浜」とはかなり異なっていて、語られることがなかった勝五郎が拾った財布の処分を女房が大家に相談する場面や、最後に女房が酒を飲めと迫る場面などが描かれます。「芝浜」を知っていることを前提に、勝五郎を支えてきた女房の心情を描いているので初めて聴く方には分かりにくかっただろうと思います。

最後にさだをステージに呼んで「博多手一本」で締めとなりました。三時間を超える公演になりました。

会場に張り出されていた二人のパンフレット。落語会なのかライブなのか…