徳島麺紀行#21:くずし蕎麦 そばきり 喜鮫

徳島に帰ってきてから外飲みの機会がなくなってしまいました。理由の一つは行きたい店がないことでしたが、かつて良くお邪魔していた「かたやま」が蕎麦屋として復活したとの情報を目にしました。Googleマップを見ると今まで店名が表示されなかった元「かたやま」の場所に聞いたことのない店の名前が出ています。「くずし蕎麦 そばきり 喜鮫」という名前で調べてみると日本酒と酒肴、蕎麦と大好きなものばかりの店になっています。予約しようと電話をしてみると懐かしい女将の声が聞こえてきました。翌日の18時に2名で予約。


18時過ぎに店に到着。「かたやま」の頃と変わらない佇まいです。かろうじて灯りが灯っているのが営業中であることを表しています。

入り口には看板代わりの木彫りの鮫が…。

店内は完全に形が変わっていて大きなカウンターが中心になっています。奥に見えるのが入り口のドアです。

個室も2席ありました。こちらは手前の4人掛けの部屋。

「かたやま」を思い出します。この奥に10人掛けの部屋もあるそう。料理をカウンター越しに提供したいのでできるだけカウンターを使って貰うようにしているとのこと。もちろんカウンターを選択。

日本酒も従実しています。まずはビール(小瓶)をいただきました。

箸をつけてしまいましたがお通しはほうれんそうのお浸しです。蟹は苦手なのですが美味しくいただきました。ビールを終えて日本酒に切り替えます。

どちらも賀茂金秀です。左は家内。最初の料理はお勧めの「酒肴の盛り合わせと十割蕎麦」。

蕎麦と好きな肴を焼き海苔で巻いていただきます。蕎麦の風味が味わえるように幅広にしたそうです。どれも美味しくいただけます。

日本酒はグラスで提供されます。半合程度の量だそう。こちらは私の賀茂金秀(一杯目)。

我々以外にお客さまがいなかったので、大将と女将さんにお話を聞きました。「かたやま」に最後にお邪魔したのが2018年12月だったのですが、その直後に店を閉めたとのこと。その後、限定の仕出し弁当の提供を続け、2022年に現在のような蕎麦割烹をプレオープンして手応えがあったので、店内を今の形に改装し、2023年1月に新装開店したとのこと。最初はランチもやっていたようですが、さすがに負担が大きいので今はランチ営業は辞めたそうです。「かたやま」が蕎麦屋になったのは大将と女将さんが蕎麦が好きで、新しい蕎麦の楽しみ方を提案したかったからとのこと。

「かたやま」には2010年から2018年までの8年間に何度お邪魔したか判りません。家に帰ってくるように来ていたとは女将の弁。

二杯目は墨廼江。フルーティーです。

三杯目は美丈夫。酒がすすみます。

次の料理は日替わりの「おばんざい盛り合わせ」。

左下がポテサラ、右下が阿波尾鶏の酒粕漬け、左上はカズノコとクリームチーズです。

四杯目の日本酒は浦里の薄濁り。大好きな濁り酒です。

最後の日本酒(五杯目)は鏡山を温燗でいただきました。落ち着きますね。

最後に蕎麦をいただきました。こちらは家内の「山かけ蕎麦(十割)」。土瓶に入った出汁をかけていただきます。

蕎麦は平麺で蕎麦の香りが引き立ちます。

こちらは私が頼んだ「生湯葉蕎麦(柚子風味)」です。

出汁は味醂を使っていない割烹出汁なので柔らかな味わいです。今までのかけ蕎麦とは違った美味しさです。出汁は最後まで飲み切ってしまいました。

写真を撮り忘れましたが、途中で刺身の代わりにと小鉢も出していただきました。

どの料理も丁寧に作られていて楽しむことができました。2時間ほどお邪魔して退散。ご馳走さまでした。