サンマデモクラシー

桜坂劇場でタイトルだけでは何のことかさっぱり判らない「サンマデモクラシー」を観ました。1963年、琉球政府を相手取り徴収された税金の還付訴訟を起こした魚卸業の女将・玉城ウシさんの物語で、2020年の第46回放送文化基金賞優秀賞を受賞した沖縄テレビ制作のドキュメンタリーを映画化したものです。

1963年沖縄。祖国復帰を願う沖縄の人々が、日本の味として食べていたサンマ。サンマには輸入関税がかけられていたが、その根拠は琉球列島米国民政府の高等弁務官布令、物品税法を定めた高等弁務官布令十七号(1958年公布)。だが、関税がかかると指定された魚の項目に、サンマの文字はなかった。そこで「関税がかかっているのはおかしい!」と、魚卸業の女将・玉城ウシが、琉球政府を相手に徴収された税金の還付訴訟を起こした。求めた額は、現代の貨幣換算でなんと7000万円。このウシおばぁが起こした“サンマ裁判”は、いつしか統治者アメリカを追い詰める、民主主義を巡る闘いとなった。裁判を展開した人々の視線の先には、帝王と恐れられた1961年初めから1964年夏まで第3代高等弁務官を務めたポール・W・キャラウェイがいた。 キャラウェイ高等弁務官は、沖縄経済の改革に尽力したが、布令を何度も発令して民衆を縛り付け、本土復帰運動をも弾圧した施政を展開。沖縄のメディアはその猛威をキャラウェイ旋風と名付けた。 キャラウェイ高等弁務官に挑んだウシおばぁのサンマ裁判をきっかけに、その裁判を支えた弁護士であり、大きなことを言うことからラッパと呼ばれた政治家・下里恵良、“米軍(アメリカ)が最も恐れた政治家”・瀬長亀次郎らの行動をたどり、統治者アメリカと自治権をかけて闘った人々の姿を伝える。

米統治下の沖縄の暮らしぶりやアメリカを相手に一歩も譲らない、ドキュメンタリーとは思えないような沖縄県人の強さが良く理解できました。


昼食はいつもの蕎麦にしようと思ったのですが残念ながらお店が休みだったので、沖縄国際通りのれん街にできた「山頭火」で豚骨醤油ラーメンをいただきました。スープはあっさりしていて徳島ラーメンの支那そば系に近く、美味しくいただくことができました。麺のゆで加減を工夫すればもっと良くなると思います。