佐喜眞美術館で沖縄戦を考える

伊是名島を後にして那覇に戻る途中、T良専務にお願いして宜野湾市にある「佐喜眞美術館」に立ち寄りました。この美術館は普天間基地に隣接していて、丸木位里、丸木俊ご夫妻が描かれた「沖縄戦の図」を常設しています。

【佐喜眞道夫美術館舘長のご挨拶(抜粋)】
コレクションをつらぬくテーマは、「生と死」「苦悩と救済」「人間と戦争」です。建物は、沖縄にこだわり、庭にある私の先祖の270年前の亀甲墓と統一感をもたせるように、また屋上の階段は6月23日(慰霊の日)の太陽の日没線にあわせてつくりました。
1995年に国連出版の『世界の平和博物館』にも収録されています。
私は、この美術館が訪れる皆様にとって深々とものを想い、魂の緑陰として感じていただける場となることを願っています。

美術館に入ると「沖縄戦の図」の文字が目を惹きます。

フロアの先には丸木位里、丸木俊ご夫妻の写真が掲げられていました。

展示物は撮影禁止なのでここで紹介できませんが、市民が巻き込まれた沖縄戦の悲惨さが胸に迫ってきます。戦争の最大の犠牲者が一般市民であることは欧州や中東の戦争で嫌というほど見せつけられていますが、改めて思い知らされる展示でした。

屋上には館長のご挨拶にあるように6段と23段の階段がありました。ここを登ると普天間基地を見渡すことができます。

手前には森が広がっていて基地の中を伺うことはできなくなっていますが、足元には亀甲墓があって沖縄の生活を無視して米軍に接収された土地であることを実感させられました。

墓は何箇所もありました。

市街地に隣接した世界一危険な米軍基地であることがよく分かります。

美術館の裏側も見てみました。美術館が基地のフェンスに沿うように建てられていることが分かります。

美術館の敷地内には大きな亀甲墓がありました。これが佐喜眞館長のご先祖が建てたお墓なのでしょう。

沖縄戦の悲惨さが未だ続いていること、「命(ぬち)どぅ宝」という言葉の意味を実感させられる場所でした。是非訪れていただきたいと思います。