今日の配信は5月8日(木)に日経ホールで開催された第37回大手町二人会「三三・一之輔 二人会」です。
演目は以下の通り。不思議なことに仲入り前に一之輔が二席、仲入り後に三三が二席になっています。
【開口一番】
開口一番は桃月庵こはくの「牛ほめ」。
語り口は悪くないと思いますが、全体的に硬さが残っていて与太郎のとぼけたところがあまり感じられませんでした。
【第一席】
一之輔の一席目は「ぜんざい公社」。この話は4月に開催された春秋三夜で語られたネタ下ろしの噺です。出囃子は春秋三夜でも使われた「アンパンマンのテーマ」でしたので、マクラは春秋三夜と同じように朝ドラの話だろうと思ったのですが、今回のプログラムが急遽変わったのは三三がダブルブッキングしたからとのこと。
前回はサゲが判りにくかったのですが、今日はすんなりと入ってきました。会場のお客さまも一呼吸置いて理解されたようでした。
【第二席】
一之輔の二席目は「三枚起請」。マクラは朝ドラの話でした。
噺そのものは手慣れていて安心して聴ける出来でした。
【三席目】
仲入りを挟んで三三の出番です。マクラはダブルブッキングの言い訳でした。噺は「法事の茶」。初めて聴く噺でした。
八つあんがご隠居のところにご機嫌伺いに来るとインド土産に貰ったお茶っ葉を見せようとする。お茶っ葉を十分に焙じて茶碗に入れて湯を入れると梅の木が生えてきて紅白の花が咲き、鶯が飛んできて鳴き始める。八つあんは女房に見せたいからとお茶っ葉を貰って家に帰る。ご隠居に教わったようにお茶っ葉を焙じ始めるが女房にせっつかれて適当に焙じた葉っぱに湯をさすと生えてきたのは柳の木で三年前に亡くなった親父が化けて出てきて叱られる。法事(焙じ)が足りなかったとサゲる。
【四席目】
三三の二席目は「黄金餅」。
坊主の西念の隣に住んでいる金兵衛は西念の見舞いにあんころ餅を頼まれる。西念は金兵衛を追い出した後で大量のあんころ餅に大金を包んで飲み込んで死んでしまう。壁の節穴からこれを見ていた金兵衛は自分で葬式を出して腹の中の金を独り占めしようとする。遅れてきたからか三三の高座は少し雑に感じました。